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開成算数の傾向と対策2026|配点・6年の傾向・対策の全体像

  • AlternativeStudy編集部
  • 8月31日
  • 読了時間: 13分

*Alternative Study 編集部 | 2026年4月更新*

開成中学の算数は国語と並ぶ最大配点(85点)で、合格者と受験者の得点差は年度によって8〜15点ひらきます。この記事では過去6年の平均点推移・単元別出題割合・2026年度の大問分析・塾別アプローチ・学年別ロードマップを、公式データと複数の入試分析記事から整理しました。

Alternative Studyは東大生講師によるオンライン家庭教師サービスを運営しています。開成卒業の講師が複数在籍しており、指導現場で見てきた受験生の実態・各塾のカリキュラムの実像を踏まえて、保護者・受験生が判断する材料として本記事をまとめています。本記事は個別の学習法を推奨するものではなく、選択肢と判断軸を並列で提示することを目的としています。

開成算数の基本情報

項目

内容

試験日

毎年2月1日

試験時間

60分

配点

85点満点(4科計310点中の約27%)

問題数

大問4〜5題(2026年度は4題)

解答形式

記述式(式・図・考え方を書く)

受験料

28,000円

合格発表

2月3日

出典: 開成学園公式 入試要項、2026年度募集要項PDF

開成算数の最大の特徴は、答えだけでなく「式・図・考え方」を書かせる記述式である点です。他の男子最難関校(筑駒・麻布・武蔵)と比較しても、解答過程を重視する傾向が強く、部分点の積み上げが合否を分けます。

6年間の算数平均点推移 ― 年度による振れ幅は年間10〜15点

開成が公式発表している科目別平均点の6年分を並べます。

年度

合格者平均

受験者平均

難易度

2021

55.8

45.8

10.0

例年並み

2022

60.7

50.7

10.0

例年並み

2023

76.4

61.7

14.7

大幅易化(異常年)

2024

58.3

48.6

9.7

例年並み

2025

55.2

46.9

8.3

例年並み

2026

54.8

41.6

13.2

例年並み(受験者層と差が大きい)

出典: 開成学園公式 過去入試結果(2021〜2026年)

データから読み取れる3つの事実

事実1: 2023年度は例外的な易化年だった

合格者平均76.4点(得点率89.8%)・受験者平均61.7点は過去6年で突出しています。2023年の問題は「大問1の旅人算が比を使わず解ける」「大問2の正六角形分割問題が中堅校レベル」など、開成としては異例の平易な出題でした。この年を除くと、合格者平均は54〜61点の範囲に収まっています。

事実2: 合格者平均は55点前後、受験者平均は45点前後で安定

2023年を除く5年平均では、合格者平均57.0点・受験者平均46.4点。合格ラインの目安は85点満点中の約65〜70%です。

事実3: 2026年度は合格者と受験者の差が13.2点と大きい

2026年度の受験者平均41.6点は6年で最も低く、合格者平均との差は13.2点に拡大しました。これは「算数で差がついた年」であり、算数の得点が合否を強く左右した年度だったことを示します。

過去4年の出題単元分布(配点ベース)

開成算数の単元別出題割合をスナップショット化しました(小数点は各年度の比率)。

単元

2023

2024

2025

2026

速さ

20%

20%

20%

―(単独大問なし)

立体図形

15%

18%

15%

52.9%

平面図形

15%

12%

15%

場合の数

15%

15%

15%

―(単独大問なし)

数の性質

15%

15%

15%

規則性

10%

10%

10%

点の移動

23.5%

試行検証

23.5%

その他

10%

10%

10%

※2026年度は大問4題構成(点の移動20点・試行検証20点・立体切断22点・立体誘導23点=85点)の実測配点。立体図形は大問3・4の合計45点で52.9%

出典: Z会受験情報ナビ、コベツバ中学受験解体新書(各年度入試分析)

読み取れる出題傾向

安定して出ている系統: 速さ系(2026年は「点の移動」として出題)、立体図形、場合の数系(2026年は「試行検証」として出題)

年度によって出たり出なかったりする単元: 平面図形、数の性質、規則性、点の移動

2026年度から新たに登場: 点の移動(23.5%・20点)、試行検証(23.5%・20点)

2026年度は速さ単独・場合の数単独の大問がなくなり、代わりに「点の移動」「試行検証」という発展型が登場しました。これは単年度の変化なのか、傾向シフトの始まりなのかは、2027年度の出題を見るまで判断できません。

2026年度の大問別分析

2026年度入試の大問構成を、コベツバの入試分析をベースに整理します。

大問

単元

難易度

配点

出題タイプ

内容

大問1

点の移動

B

20点

計算・図示

2点の移動による「真ん中影武者」問題

大問2

試行検証

C

20点

論理

条件を整理し試行錯誤で解く論理推理問題

大問3

立体図形

B

22点

切断

小立方体の切断。断面の特定と体積計算

大問4

立体図形

C

23点

誘導

立体図形の誘導型問題。小問(1)(2)が(3)(4)の誘導

※ 難易度はコベツバ基準(A=基本、B=標準、C=発展)。

出典: コベツバ中学受験解体新書 2026年開成算数入試分析

配点と難易度の組み合わせから見える得点戦略

大問1と3(合計42点)はB難度、大問2と4(合計43点)はC難度です。合格者平均54.8点を取るには、B難度の2問で30〜38点(7〜9割)C難度の2問で16〜25点(4〜6割)という得点構成が現実的です。

C難度問題は「解き切れなくても部分点を積む」発想が重要になります。開成算数は記述式のため、最終解答に至らなくても途中式と考え方で数点を拾えます。

合格点の取り方 ― 3つのシナリオ

開成算数は年度によって難易度が振れます。受験当日に「今年は何点取れば合格か」を判断するための3シナリオを提示します。

シナリオA: 易化年(得点率75%目標)

  • 想定: 2023年のような大幅易化

  • 目標: 85点中64点以上

  • 考え方: 易化年は差がつきにくいため、ケアレスミスを減らし全問の処理速度を上げることが重要。易化年ほど計算ミス・条件読み違いで数点落とすと致命的になる

シナリオB: 標準年(得点率65%目標)

  • 想定: 2021・2022・2024・2025年のような通常水準

  • 目標: 85点中55点以上

  • 考え方: B難度の大問を確実に取り、C難度で部分点を積む。合格者平均とほぼ同じラインを狙う

シナリオC: 難化年(得点率55〜60%目標)

  • 想定: 2026年のように受験者平均が下がった年、またはC難度問題が多い年

  • 目標: 85点中47〜51点以上

  • 考え方: 全員が解けない問題を捨てる判断が重要。B難度問題の正答率を上げ、C難度では誘導の前半部分で部分点を確保する

3シナリオに共通するのは「当日の試験でどのシナリオか判断する訓練」です。大問1〜2に目を通した時点で「易化か、例年並みか、難化か」を5分以内に判断し、それに応じて時間配分を決める練習が過去問演習の中で必要になります。

学年別ロードマップ ― 3つの学習パターン

開成算数対策には、通塾を軸にするか家庭教師を組み合わせるかで複数のパターンがあります。どれが優れているかは個別の条件で変わるため、3つのパターンを並列で提示します。

パターン1: 大手進学塾で完結

学年

主な内容

小3冬〜小4春

大手進学塾(SAPIX・日能研・四谷大塚・早稲アカ等)に入塾。算数の基礎を作る

小4〜小5

塾のカリキュラムに沿って、特殊算・図形・数の性質を順番に学習

小5後半〜小6前半

塾のクラス編成(SAPIX α、日能研M、四谷最難関等)に入り、最難関レベルの演習に入る

小6後半(9月〜)

塾の志望校別特訓(SAPIX SS開成、早稲アカNN開成後期、日能研NN-Vクラス等)で過去問・志望校別演習

小6直前期(12〜1月)

塾の総仕上げ授業+家庭で過去問10年分

合う可能性が高い条件: 塾の集団授業で吸収できる学力水準がある、自宅学習の時間管理ができる、保護者が塾のペースについていける

留意点: 大手塾は集団授業のため、特定の弱点に個別対応しにくい。小6後半で弱点が残った場合は家庭での補強が必要になる

パターン2: 大手進学塾 + 家庭教師・個別指導の併用

学年

主な内容

小4〜小5

大手進学塾に通塾。家庭教師は月2〜4回、塾でわからなかった単元のフォロー

小6前半

塾+家庭教師の併用を継続。家庭教師は「塾では個別対応できない弱点」に絞る

小6後半

塾の志望校別特訓に入る。家庭教師は過去問演習の添削(記述答案の部分点を取る訓練)

小6直前期

過去問演習の回し方・記述答案の書き方を家庭教師がマンツーマンで指導

合う可能性が高い条件: 塾のペースに一部追いつけない単元がある、記述答案を個別に添削してほしい、小6後半の過去問演習を個別にフォローしてほしい

留意点: コストは塾のみのパターンより高くなる(年間100〜200万円の追加)。家庭教師と塾のカリキュラムがずれると子どもの負担が増える

パターン3: 家庭教師中心 + 通信教材・映像授業

学年

主な内容

小4〜小5

家庭教師+Z会通信教育や映像授業(四谷大塚通信教育等)で基礎を作る

小6

家庭教師との個別指導+過去問演習中心。塾の模試のみ外部受験

合う可能性が高い条件: 通塾の時間的制約がある(習い事・スポーツとの両立)、集団授業が合わない、家庭での学習時間を確保できる

留意点: 大手塾の模試データ・志望校別特訓のノウハウを取り込む工夫が必要。情報面で孤立しやすい

塾別アプローチの違い ― 5塾の特徴を並列

開成対策を主に行っている塾の特徴を、合格者輩出数・クラス構成・コース体系の観点から並列に整理します。どの塾が優れているかの評価は含みません。

SAPIX小学部

項目

内容

最上位クラス

α1〜α3(マンスリーテストで組分け)

開始学年

小3冬〜

志望校別特訓

SS(日曜特訓)開成コース(小6秋〜)

α入室の目安

マンスリー偏差値62以上

開成合格者への影響

α在籍者の開成合格率は例年40〜50%(出典: SAPIX公式、さぴあ)

年間費用目安

小6で年100〜130万円

出典: SAPIX公式、さぴあ

早稲田アカデミー

項目

内容

志望校別特訓

NN(なにがなんでも)開成(小6春〜)

開始学年

小3〜、NN開成は小6春(3月)から

NN開成の入室基準

新小6NNオープン模試で上位30〜40%(目安:四谷偏差値62相当)

開成合格者への影響

NN開成受講者の合格率は約60%(出典: 早稲田アカデミー公式)

年間費用目安

小6で年80〜120万円(NN含むとさらに追加)

出典: 早稲田アカデミー公式、東大家庭教師友の会

四谷大塚

項目

内容

最上位クラス

最難関選抜コース(組分けテスト上位)

開始学年

小3〜、最難関選抜は小5〜

特徴的な教材

予習シリーズ(多くの塾で副教材採用)

年間費用目安

小6で年80〜110万円

出典: 四谷大塚公式

日能研

項目

内容

最上位クラス

M(マスター)クラス

開始学年

小3〜、Mクラスは小5〜

Mクラス入室の目安

全国公開模試偏差値65以上

年間費用目安

小6で年70〜100万円

出典: 日能研公式

グノーブル

項目

内容

最上位クラス

α・βコース

開始学年

小3〜(少人数制15〜20名)

特徴

SAPIX出身者が創設。少人数精鋭

年間費用目安

小6で年90〜130万円

出典: グノーブル公式

塾選びの判断軸

各塾の特徴は異なりますが、選ぶ際には以下の軸で比較できます。

  • 合格者の絶対数: SAPIXが最多、早稲アカ(NN経由)が続く

  • クラスの入りやすさ: 入塾テスト・組分けの基準が塾ごとに異なる

  • 通塾距離: 最寄り校舎の有無が現実的な制約になる

  • 子どもの性格との相性: 競争的な環境(SAPIX上位α)か、少人数精鋭(グノーブル)か、面倒見型(日能研・早稲アカ)か

  • 授業スタイル: 演習中心(SAPIX)か、講義中心(日能研)か

開成算数対策の教材(塾で使われる定番)

大手塾の授業以外で、開成志望者が自宅学習で用いている定番教材を整理します。

教材

出版

使用時期

用途

塾での位置付け

中学への算数(日々の演習・レベルアップ演習)

東京出版

小6前期〜直前期

応用演習

必修(月刊誌)

プラスワン問題集

東京出版

小6春〜夏

典型問題仕上げ

推奨

算数プラスワン問題集

東京出版

小6秋〜直前期

最難関演習(開成特有の論理問題・場合の数対策)

推奨

開成中学校 算数 過去10年分

声の教育社

小6秋〜直前期

過去問演習

必修

予習シリーズ算数 6年

四谷大塚

小6通年

塾の副教材

塾により必修

出典: サカセル、コベツバ中学受験解体新書、SAPIX・早稲アカの一般的な指導方針

教材の使い方は塾の指導や個別の学習状況で変わるため、「この教材をこう使うべき」という一律の答えはありません。判断軸として、「塾で使っている教材と重複しないこと」「小6前半までに基礎教材を2周すること」「過去問は小6秋から10年分を目標にすること」が多くの指導書で共通しています。

よくある誤解と事実

誤解1: 「算数で高得点を取らないと開成は受からない」

事実: 2025年度の合格者平均は55.2点(得点率65%)。算数で高得点というより、4科合計で合格最低点(2026年は205点)を超えれば合格です。算数で60点取れなくても、国語・理科・社会でカバーする合格者は多数います。

誤解2: 「立体切断が解けないと開成は無理」

事実: 立体切断は出る年と出ない年があります(2026年は大問3で出題)。開成算数は「特定単元の得意不得意」より「思考プロセスを記述できるか」が問われます。ただし2026年度は立体図形が2題(合計45点)出題されたため、立体図形の基礎は最低限必要です。

誤解3: 「SAPIX α1じゃないと開成は受からない」

事実: α在籍者の開成合格率は40〜50%であり、裏を返せば合格者の半数はα1以外です。α2・α3からの合格、日能研M・早稲アカNNからの合格、グノーブルからの合格、家庭教師中心の家庭からの合格、すべての経路で合格者が出ています。

誤解4: 「2023年のように易化すれば誰でも受かる」

事実: 易化年は合格最低点が上がります(2023年は237点、平均年より15〜20点高い)。易化年ほど合格者間の差が小さくなり、1問のケアレスミスが致命的になります。「易化すれば受かりやすい」は必ずしも正しくありません。

FAQ

Q. 算数が苦手な子でも開成に受かりますか?

A. 算数の合格者平均は55点前後(得点率65%)です。算数が「最も苦手な科目」であっても、50点前後を取れれば他科目でカバー可能です。ただし算数で40点を切ると他3科で平均70%以上が必要になるため、厳しい戦いになります。

Q. 過去問は何年分やればいいですか?

A. 塾の一般的な指導では「最低5年分、可能なら10年分」が目安とされています。「開成中学校 算数 過去10年分」(声の教育社)が定番の過去問集です。小6秋(9月〜)から始めるのが標準的なスケジュールです。

Q. 特殊算はどこまで必要ですか?

A. 旅人算・通過算・流水算・時計算などの特殊算は、開成算数では単独で出題されるより「速さ」の大問の中で組み合わされる形で出ます。2026年度のように「速さ」の出題比率が下がった年もありますが、6年中5年で出題されているため、標準的な対策は必要です。

Q. 塾に通わずに家庭学習だけで開成は狙えますか?

A. 家庭教師中心+通信教育・映像授業のパターンで合格する家庭は存在しますが、数は多くありません。大手塾の模試(SAPIXサピックスオープン、四谷大塚合不合判定、早稲アカNNオープン等)は外部受験できるため、情報面の補完は可能です。通塾なしを選ぶ場合は、模試データ・志望校別特訓の情報をどう補うかが判断軸になります。

Q. 小5から開成対策を始めて間に合いますか?

A. 小5スタートは「大手塾の本格カリキュラムに追いつく必要がある」点で負担が大きいですが、不可能ではありません。塾のカリキュラムを小5の前半で追いつく必要があるため、家庭学習時間の確保と個別指導の併用が必要になることが多いです。個別の状況によって現実性は変わるため、模試の結果と学習時間を踏まえた判断が必要です。

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