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開成中学の規則性|3年連続10%、配点最小でも「取り切る」意味がある単元

AlternativeStudy編集部
9月5日
読了時間: 8分

*Alternative Study 編集部 | 2026年8月公開*


「規則性は配点が小さいから後回しでいい」——配点だけを見ればそう判断したくなる単元です。ただ、開成の合否が15〜18点の狭い帯(合格最低点と合格者平均の差)で決まる構造を踏まえると、85点中8〜9点相当のこの単元を丸ごと落とす影響は、見た目の配点より大きくなります。


この記事では、開成算数における規則性の出題推移・解法の体系・「配点最小の単元」との向き合い方を整理しました。意見や推奨は含まず、判断材料を並列で提示することを目的としています。

開成入試での規則性 ― 3年連続10%、2026年は単独大問なし

過去4年の開成算数における規則性の出題比率です。


年度

規則性の配点比率

備考

2023

10%

数列・周期の処理

2024

10%

図形の規則を含む

2025

10%

群数列型

2026

―(単独大問なし)

大問4題構成(点の移動・試行検証・立体切断・立体誘導)


出典: 2023〜2025年はZ会受験情報ナビ・コベツバ中学受験解体新書の各年度入試分析、2026年は大問実測


2023〜2025年は3年連続で10%(85点中8〜9点相当)。今回整理している単元の中では最小の配点で、2026年度は単独大問がありませんでした。


「配点10%」の失点インパクト

配点最小とはいえ、8〜9点という数字は開成の合否構造の中では軽くありません。


  • 合格者平均と受験者平均の差: 6年平均で11.0点

  • 合格最低点と合格者平均の差: 15〜18点


規則性を丸ごと落とす失点(8〜9点)は、合格者と受験者を分ける平均的な差にほぼ匹敵します。配点の小ささを「捨ててよい理由」と読むか、「取り切れば差を守れる単元」と読むかで、扱いが変わります。


講師視点(開成卒・東大理I、要・実講師差替え)

「規則性は、開成受験生の間では『落とせない単元』という共通認識に近いものがあります。難問の割合が他単元より低く、手を動かせば規則が見える問題が多いからです。裏を返すと、ここで落とすと周りは取っているので、差を守るための単元と捉えていました」

開成レベルで求められる規則性の解法体系

規則性は次の5系統に整理できます。開成レベルでは、規則そのものの発見に加えて、発見した規則を数式・周期に翻訳して大きい番号を処理する力が問われます。


系統1: 等差・等比の数列

一定の差・比で進む数列の第N項と和を扱う、規則性の土台です。開成レベルでは単独では出にくく、他系統の処理の中の道具として使われます。


系統2: 周期算

繰り返しの単位(周期)を見つけ、割り算の商と余りで位置を特定する系統です。曜日・色の繰り返し・余りの循環など出題の顔ぶれは広く、数の性質(余りの世界)と考え方が重なります。


系統3: 群数列

数列をグループに区切り、「第N項が第何群の何番目か」を特定する系統です。群の区切り方の把握→群内の位置の特定、という二段階の処理を正確に踏めるかが問われます。2025年度はこの型が出題されたと分析されています。


系統4: 図形の規則

図形が段階的に増えていくときの個数・周の長さ・面積の規則を扱います。数え上げから規則を式にする翻訳力と、境界部分(角・端)の補正処理が失点ポイントになります。


系統5: 書き出しからの規則発見

規則が事前に与えられず、小さい場合を書き出して自力で規則を見つける系統です。試行検証型の問題との親和性が高く、「実験→仮説→大きい数で確認」という進め方は2026年度大問2の処理とも通じます。

「配点最小の単元」との向き合い方 ― 3つの判断軸

判断軸1: 完答を狙う水準を維持するか

規則性は、対策の目標を「部分点」に置くか「完答」に置くかで必要な時間が変わります。3年連続10%という配点と、難問比率が相対的に低いという傾向(コベツバ等の難度分析)を踏まえると、他単元より少ない投資で完答水準を維持しやすい単元、という見方ができます。この見方に立つ場合、削るのは規則性の時間よりレベルC対策の時間、という配分になります。


判断軸2: 数の性質・試行検証との重ね掛け

系統2(周期算)は数の性質の余りの処理と、系統5(書き出しからの規則発見)は試行検証の実験的な進め方と、それぞれ考え方が重なります。規則性「単独」の学習時間を確保しにくい場合でも、隣接単元の演習の中でこの2系統を扱えば、実質的なカバーができます。


判断軸3: 計算量への耐性

規則性の失点は、規則の発見よりも発見後の処理(第N項の計算、和の計算)でのミスで起きることが少なくありません。この単元の対策は、ケアレスミス対策(途中式の書式、検算の型)と一体で進めると効率が上がります。

規則性対策で使われている教材

開成志望者が規則性対策で用いている代表的な教材を整理します。おすすめとしてではなく、実際に使われている教材として並べます。


教材

出版

使い方(一般的な目安)

プラスワン問題集

東京出版

周期算・群数列の典型パターン定着。小6夏までに2周

算数プラスワン問題集

東京出版

図形の規則・複合型の演習

中学への算数(月刊誌)

東京出版

数列・規則性の特集号

開成中学校 算数 過去10年分

声の教育社

規則性が出た年度(2023〜2025)の重点周回


出典: サカセル、コベツバ中学受験解体新書、各塾の一般的な指導

よくある誤解と事実

誤解1: 「配点が小さいので捨ててよい」

事実: 85点中8〜9点の失点は、合格者平均と受験者平均の差(6年平均11.0点)に迫る大きさです。開成の合否は合格最低点と合格者平均の差15〜18点の帯で決まるため、「小さい配点」の単元を丸ごと落とす選択は、帯の中での立ち位置を数人分下げる選択になります。捨てる判断は、この失点計算を見た上で行うものです。


誤解2: 「規則はひらめきで見つけるもの」

事実: 開成レベルの規則発見には手順があります。小さい場合を3〜4個書き出す→差・比・周期のどれかを疑う→仮説を次の項で検証する、という実験の型です。ひらめきを待つ学習より、この型を全問で機械的に回す練習のほうが再現性があります。


誤解3: 「規則が見つかれば解けたも同然」

事実: 規則性の失点の多くは、規則発見後の処理(第100項の計算、群の境界の特定、図形の端の補正)で起きます。「見つける力」と「処理し切る力」は別の技能で、後者はケアレスミス対策(途中式の型・検算)とセットで鍛える領域です。

FAQ

Q. 規則性は開成でどのくらい出ますか?


A. 2023〜2025年は3年連続で配点10%(85点中8〜9点相当)でした。2026年度は単独大問がありません。今回整理している単元系統の中では最小の配点ですが、失点した場合の影響は合格者・受験者間の平均的な差(11.0点)に迫る大きさです。


Q. 2026年に出なかったので、対策を減らしてもいいですか?


A. 1年の空白から今後を断定する材料はありません。判断材料としては、(1)3年連続出題の実績、(2)周期算・書き出し型の考え方が数の性質・試行検証の対策と重なること、(3)必要な学習時間が他単元より小さめであること、の3点があります。減らす場合も、隣接単元の演習で系統2・5を兼ねる形なら実質的なカバーが残ります。


Q. 群数列が苦手です。どこから直せばいいですか?


A. 群数列の失点は「群の区切りの把握」と「群内の位置の計算」のどちらかに偏ります。答案を見て、区切りの表(第○群は△個)を書けているかをまず確認してください。表が書けていれば計算処理の問題、書けていなければ構造理解の問題で、必要な演習が変わります。


Q. 規則性と数の性質はどちらを先にやるべきですか?


A. 周期算(規則性)と余りの世界(数の性質)は同じ考え方の裏表なので、厳密な順序はありません。教材の構成上は数の性質(約数倍数→余り)を先に固めると、周期算の理解が速くなる流れが一般的です。


Q. 直前期に規則性へ時間を割く価値はありますか?


A. 直前期の判断材料は過去問の失点記録です。規則性での失点が「発見できない」型なら実験の型の演習を、「処理でミスする」型なら見直し・検算の型の徹底を、それぞれ短期間で行う余地があります。失点がほぼない場合は、維持のための軽い周回(既習問題の2周目)で足ります。

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Alternative Studyは、東大生講師による難関校特化のオンライン個別指導です。

*本記事の数値データは、開成学園公式入試結果・コベツバ中学受験解体新書・Z会受験情報ナビから収集したものです。2026年度の大問構成は実測配点(20/20/22/23点)に基づきます。*


*本文中の「講師視点」は、開成卒業の現役東大生講師による発言を想定した記述です。公開前に実講師の発言で差し替えることが前提となっています。*

 
 

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バブソン大学 准教授
慶應義塾大学法学部卒。ピーター・ドラッカー経営大学院経営学修士(MBA)課程修了。テキサス州立大学ダラス校にて国際経営学博士号(Ph.D.)取得。2009年度よりバブソン大学准教授。同大学は起業家教育分野において30年連続全米1位との評価を受ける。専門領域はアントレプレナーシップ。バブソン大学では、学部生、MBA、エグゼクティブ向けに起業道を教える。東京大学特任教授をはじめ、日本国内でも多くの大学にて教壇に立つ。2022年度までCICジャパンプレジデント、ベンチャーカフェ東京代表理事、2024年よりベンチャーカフェ東京顧問。経産省J-Startup推薦委員。文科省起業教育有識者委員会メンバー。
運営会社株式会社iBECK
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大学卒業後、ワークスアプリケーションズに入社。人事採用責任者として、インターン志望者数日本No.1や「後輩にお勧めしたいインターンシップ」6年連続No.1を実現し、年間応募者数を800%UPの8万人まで拡大。新卒から中途採用、職種別採用やインターン採用など多岐にわたる。スタンフォード、ケンブリッジ、オックスフォード、北京、清華、インド工科、インド情報技術など世界5地域60大学で採用を行う日本の採用活動、求職活動、産業創出に対して問題意識を持ち、解決するべく、2013年11月に独立。「戦略的リクルーティングデザイン」「次世代プロフェッショナルリクルーター」等の採用論を構築し、採用戦略や採用ブランド等のコンサルティングを外資戦略コンサルティングファームや日系トップティア企業へ行う。戦略人事を実現するために、経営者や人事担当者対象の研修を実施。個人対象には、個人価値最大化をするための成長機会の提供を行う。これまで21000名以上利用し、外資系トップティア企業就職支援で8年連続日本1位の実績を誇る。本質思考人財育成のためのビジネススクール「Alternative Careers Business School」業務と能力のミスマッチを最小化する「Alternative Internships」オルタナティブキャリア・ボーダーレスキャリアを実現する「Alternative Careers 」「Alternative Study」を企画運営する。

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