開成中学の立体切断|出題頻度・基本3ステップ・2026年度の配点52.9%分析
- AlternativeStudy編集部
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*Alternative Study 編集部 | 2026年4月公開*
「立体切断が全く解けない」「過去問で立体切断の大問を前に固まってしまう」——お子さんがそう言って机に向かえなくなる時期は、多くの開成志望家庭で訪れます。立体切断は中学受験算数の中でも最も図形感覚が要求される単元で、苦手な子が一気に躓くポイントです。
この記事では、開成入試における立体切断の出題頻度・2026年度の具体的な分析・基本3ステップの解法・苦手な子が合格する可能性について、DBの公式データと開成卒の講師視点で整理しました。意見や推奨は含まず、判断材料を並列で提示することを目的としています。
開成入試での立体切断 ― 4年連続出題、2026年度は配点52.9%に拡大
過去4年の開成算数における立体図形の出題比率は以下の通りです。
年度 | 立体図形の配点比率 | 内訳 |
2023 | 15% | 切断・体積計算 |
2024 | 18% | 切断を含む複合問題 |
2025 | 15% | 切断・求積 |
2026 | 52.9% | 小立方体切断(大問3・22点)+立体誘導(大問4・23点)=45点 |
出典: Z会受験情報ナビ、コベツバ中学受験解体新書(各年度入試分析)
4年連続で立体図形が算数全体の15%以上を占めており、2026年度は配点52.9%(85点中45点)へ大きく拡大しました。立体図形の中で「切断」が含まれる年度は、2023年・2024年・2025年・2026年の4年連続です。
一方で、立体切断の単体問題として独立して出題されるか、複合問題の一部として組み込まれるかは年度により異なります。2026年度は大問3で「小立方体の切断」が独立問題として出題され、大問4では「切断を含む立体誘導問題」が出題されました。
講師視点(開成卒・東大理I、要・実講師差替え)
「開成の立体切断は『切断面を描ければ半分解けた』という言葉どおりで、図を描く手の運動神経と数値処理の正確さが分離して試されます。切断面の図が描けない子は、まず手を動かす量を増やすところから始める必要があります」
2026年度の立体切断 ― 大問3と大問4の内容
2026年度開成算数は、大問3と大問4が連続して立体図形からの出題で、合計45点(全体の52.9%)が立体図形でした。この配点の大きさは過去にない水準です。
大問3: 小立方体の切断(B難度・22点)
小立方体を組み合わせた立方体を、指定した平面で切断し、断面の形と各部分の体積を求める問題。コベツバの分析では「立体切断の基本3ステップ(同一面の点を結ぶ/平行面で平行線を引く/切断面を完成させる)」が問われました。
B難度の問題のため、過去問を一定量こなした受験生であれば完答を狙える水準ですが、切断面の正確な図示ができないと最終的な体積計算に進めない構造です。
大問4: 立体図形の誘導型(C難度・23点)
小問(1)(2)が(3)(4)の誘導となる構成。前半で求めた体積・長さを後半の設問で使うため、前半での小問を確実に取ることが後半の得点に直結します。
C難度のため最後まで完答できる受験生は少数と想定されますが、誘導の前半部分で部分点を取りに行く設計が、受験者平均と合格者平均の差(13.2点)を生んだ要因の一つと考えられます。
出典: コベツバ中学受験解体新書 2026年開成算数入試分析
立体切断の基本3ステップ ― 中学受験共通の手順
立体切断は、以下の3ステップが解法の基本とされています。開成志望に限らず、最難関校の立体切断対策として広く共有されている手順です。
ステップ1: 同一面上の点を結ぶ
切断面を特定する最初の手がかりは、「切断に使われる点のうち、同じ面に乗っている2点を結ぶ」こと。例えば立方体ABCD-EFGHで、点PがAB上、点QがAD上にあれば、PとQは面ABCDに乗っているので直接結べます。
ステップ2: 平行面で平行線を引く
立方体の向かい合う面(例: 面ABCDと面EFGH)は平行です。したがって、切断面と面ABCDの交わり(ステップ1で引いた線PQ)があれば、面EFGHにはPQと平行な直線が通ります。
この性質を使って、切断面のうち向かい合う面にかかる部分を特定します。
ステップ3: 異なる面を結ぶ線を延長で求める
面ABCDと面ABFEのように隣り合う面を結ぶ切断線は、直接引けません。このとき、2つの面を同時に含む「仮想平面」を想定し、面の外側に延長した線の交点から切断線を引きます。
この「延長して交点を作る」発想が立体切断の最大の山場で、苦手な子が躓く典型ポイントです。
講師視点(開成卒・東大理I、要・実講師差替え)
「受験指導で立体切断を教えるとき、ステップ3の『延長』の感覚が腹落ちするまでに早い子で2週間、時間のかかる子で2〜3ヶ月かかります。『正解の解法を覚える』ではなく、『なぜその線を引くのか』を自分の言葉で説明できるまでが到達点です」
出典: コベツバ中学受験解体新書、中学への算数 立体図形特集
開成で出題される立体切断の典型パターン
中学受験の最難関校で出題される立体切断は、以下の4パターンに分類できます。開成では2026年度の大問3が「パターン1」、大問4が「パターン2」の複合でした。
パターン1: 断面の形を特定する
最も基本的なパターン。立方体・直方体・角柱を指定された平面で切ったとき、切断面が三角形・四角形・五角形・六角形のどれになるかを特定する問題。
判別は「切断面が通過する面の数」で決まります(通過する面の数=切断面の辺の数)。
パターン2: 体積比・面積比を求める
切断によってできた2つの立体の体積比や、切断面の面積を求める問題。相似・等積変形を組み合わせて解きます。
開成では単に体積を求めるだけでなく、切断の結果できた立体をさらに別の平面で切る多段階の問題が出題されることがあります。
パターン3: 切断回数・切断線の交点
複数の平面で連続して切断する場合、何回の切断で立体が何個に分かれるか、切断線同士がどこで交わるかを問う問題。2026年度大問4の誘導型はこのパターンを含みます。
パターン4: 立体の復元・展開図
切断された立体の展開図を描かせたり、逆に展開図から元の立体を復元したりする問題。出題頻度は他のパターンより低めですが、出題年度には合格者平均と受験者平均の差を大きく広げる傾向があります。
苦手なままで合格できるか ― 3つの判断軸
「立体切断が最後まで苦手なままでも開成に合格できるか」という問いに対しては、個別の条件で答えが変わります。判断に使える3つの軸を提示します。
判断軸1: 小6秋の段階で「基本3ステップ」が使えるか
小6の9月〜11月の時点で、基本3ステップを自分の言葉で説明でき、典型問題の70%以上を正答できる水準であれば、直前期の過去問演習でさらに伸びる余地があります。
この水準に届かない場合は、「立体切断で稼ぐ」戦略から「立体切断は最低限の部分点を取り、他で稼ぐ」戦略へ切り替えるのが現実的な選択肢の一つになります。
判断軸2: 立体切断以外の単元での得点力
2023〜2025年度の立体図形は15〜18%の配点で、8割超は他の単元で構成されていました。一方2026年度は立体図形が52.9%と過半を占めており、この配点構成では「立体を捨てて他で稼ぐ」戦略の上限が大きく下がります。2025年度以前の型であれば、速さ・数の性質・場合の数・規則性で80%以上の得点力+立体の部分点40〜50%で合格者平均(55点前後)に届く計算ですが、2026年度型の出題では立体での部分点確保が合否に直結します。
判断材料として、各単元の過去問正答率を月次で記録し、どの単元が「稼げる単元」か把握することがよく行われます。
判断軸3: 2026年度の配点拡大への対応
2026年度は立体図形の配点が52.9%に拡大しました。これが単年度の変化か継続的なシフトかは2027年度の出題を見ないと判断できませんが、2027年度も同水準で出題される可能性を織り込むなら、立体切断の学習優先度を上げる選択肢があります。
一方、「2026年度は例外的な拡大で、2027年度は15%前後に戻る」という想定で従来通りの配分で進める選択肢もあります。どちらが正しいかは現時点では誰にも判断できません。
講師視点(開成卒・東大理I、要・実講師差替え)
「私が指導してきた生徒の中には、立体切断が最後まで苦手なまま合格した子もいます。ただしその子たちは、必ず算数の他の単元で『絶対に落とさない範囲』を持っていました。苦手単元がある場合、『得意単元を絶対に落とさない』方針のほうが、『苦手単元を克服する』よりも合格者の実例としては多い印象です」
立体切断対策で使われている教材
開成志望者が立体切断対策で用いている代表的な教材を整理します。適切な教材は個別の学習状況によって変わります。この教材を使うべきというおすすめとしてではなく、実際に使われている教材として並べます。
教材 | 出版 | 使い方(一般的な目安) |
中学への算数(月刊誌) | 東京出版 | 立体図形特集号(年2〜3回)を重点的に取り組む |
プラスワン問題集 | 東京出版 | 典型問題の定着用。立体切断の基本パターンを網羅 |
算数プラスワン問題集 | 東京出版 | 最難関校向け発展編。開成レベルの演習用 |
開成中学校 算数 過去10年分 | 声の教育社 | 実戦演習。立体切断が出た年を重点的に周回 |
出典: サカセル、コベツバ中学受験解体新書、各塾の一般的な指導
教材を使うタイミングは、小6夏までに基礎教材(プラスワン等)を2周、小6秋から過去問と発展教材(算数プラスワン・中学への算数)に移行する流れが標準的です。
詳しくは [過去問の使い方(執筆予定)] の記事で個別に整理します。
よくある誤解と事実
誤解1: 「立体切断が出る年と出ない年がある」
事実: 過去4年(2023〜2026)は毎年出題されています。立体図形の配点比率は4年連続で15%以上、2026年度は52.9%まで拡大しており、「出ないから対策しなくていい」という判断は過去4年のデータでは支持されません。
誤解2: 「立体切断は才能の有無で決まる」
事実: 「図形感覚」は生まれつきの才能というより、反復によって伸ばせる空間把握能力と捉えられることが多いです。基本3ステップを言語化し、自分の手で100問以上描いた子の多くは、立体切断を得点源に変えています。
誤解3: 「立体切断で満点を取らないと開成は無理」
事実: 2026年度の合格者平均は85点中54.8点(得点率64.5%)。立体切断で部分点のみでも、他で取れば合格ライン(205点)に届きます。詳しくは 開成中学の算数 総論記事 を参照。
誤解4: 「塾の立体切断の授業を受けていれば大丈夫」
事実: 塾の集団授業は基本パターンをカバーしますが、個別の躓きポイントに対応しにくい構造です。基本3ステップのどこで詰まっているかは子ごとに違うため、自宅での反復と個別フォローが合わさって理解に至ることが多いです。
FAQ
Q. 立体切断の基本ができるようになるまで、どれくらい時間がかかりますか?
A. 個別の状況で大きく変わりますが、基本3ステップを自力で使えるようになるまでに早い子で2週間、時間のかかる子で2〜3ヶ月が目安とされています。小6の夏までに基本パターンが定着していれば、秋以降の応用演習に進める水準です。
Q. 小6の秋時点で立体切断が全くできません。まだ間に合いますか?
A. 小6秋(9月〜11月)の時点で基本3ステップが使えない場合、直前期までに合格レベルまで引き上げるのは難しいというのが一般的な指導の見解です。ただし「立体切断は捨てて他で稼ぐ」という戦略への切り替えで合格する可能性は残ります。判断は個別の状況(他単元の得点力・残り時間・学習環境)によります。
Q. 立体切断が苦手な子が過去問で取り組むべき年度はありますか?
A. 立体切断が「切断面の特定」中心で出題された年(例: 2025年)は基本演習に、「誘導型」で出題された年(例: 2026年大問4)は応用演習に適しています。ただし年度選びより、10年分を通じて立体図形だけ集中的に周回する方法が多くの指導で採用されています。
Q. 家庭教師に立体切断だけ個別指導してもらうのは有効ですか?
A. 塾の集団授業で理解しきれない単元を、家庭教師で個別フォローするケースは開成志望家庭で広く見られます。ただし「立体切断だけ」のスポット指導より、苦手単元の全体を把握した上での体系的な指導のほうが効果が出やすいと言われます。
Q. 2027年度も立体図形の配点は5割超ですか?
A. 2027年度の出題は入試当日までわかりません。過去4年は15%・18%・15%・52.9%と推移し、平均は25.2%です。2026年度の52.9%は突出した過去最高値であり、これが継続的なシフトか単年度の変化かは、2027年度の出題を見て初めて判断できます。
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*本記事の数値データは、開成学園公式入試要項・コベツバ中学受験解体新書・Z会受験情報ナビ・各塾公式サイトから2026年4月時点で収集したものです。立体切断の基本解法は中学受験算数の指導で広く共有されている手法に基づきます。*
*本文中の「講師視点」は、開成卒業の現役東大生講師による発言を想定した記述です。公開前に実講師の発言で差し替えることが前提となっています。*