筑波大学附属駒場(筑駒)の偏差値・学校生活・進学実績【2025年最新|複数の模試基準で比較】
- AlternativeStudy編集部
- 4月20日
- 読了時間: 23分
筑駒(筑波大学附属駒場中学校・高等学校)の偏差値はSAPIXで71・首都圏模試で78と、どちらの基準でも日本の中学最高峰です。2025年の東大合格者は117名(現役92名)・東大理三15名で、1学年120名の少人数校が圧倒的な進学実績を出しています。
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基本情報
項目 | 内容 |
正式名称 | 筑波大学附属駒場中学校・高等学校 |
通称 | 筑駒(つくこま) |
所在地 | 〒154-0001 東京都世田谷区池尻4-7-1 |
TEL | 03-3411-8521 |
アクセス | 京王井の頭線「駒場東大前」駅 徒歩7分、東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩15分 |
設置区分 | 国立・男子校・中高一貫(国内唯一の国立男子校) |
運営 | 筑波大学附属学校(筑波大学の附属学校11校の1つ) |
高校募集 | あり(40名・完全混合クラス編成) |
学区制限 | 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の指定区域のみ通学可 |
生徒数(中学) | 367名(1学年 約120名・3クラス編成) |
生徒数(高校) | 約480名(1学年 約160名・4クラス編成) |
生徒数(中高合計) | 約847名 |
設立 | 1947年(東京農業教育専門学校附属中学校として開校) |
沿革 | 1952年 東京教育大学附属駒場 → 1978年 現校名(筑波大学附属駒場) |
教育目標 | 「自由・闊達の校風のもと、挑戦し、創造し、貢献する生き方をめざす」 |
校長 | 北村 豊 先生(筑波大学生命環境系教授) |
指定 | スーパーサイエンスハイスクール(SSH) |
公式サイト |
筑駒は日本で唯一の国立男子中高一貫校です。1947年に旧制東京農業教育専門学校の附属中学校として開校し、1978年に筑波大学の附属校となりました。校地は目黒区駒場野公園に隣接し、日本の農学発祥の地「ケルネル田圃」を現在も水田学習に使用しています。
学区制限に注意が必要です。 筑駒は国立校のため、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の指定区域内に保護者とともに在住している必要があります。出願時に住民票で確認されます。区域外からは出願できません。
高校からの入学も可能です。 中学からの内部進学者約120名に加えて、高校から約40名を外部募集します。入学後はクラスが完全に混合され、内部生と外部生が同じクラスで学びます。
出典: 筑波大学附属駒場中・高等学校公式サイト、四谷大塚入試情報センター、Wikipedia「筑波大学附属駒場中学校・高等学校」
偏差値 ― 三大塾すべてで70超、開成と並ぶ最高峰
筑駒の偏差値はSAPIX・四谷大塚・日能研のすべてで70を超える、日本の中学最高峰の難易度です。
中学入試(2月3日)
模試 | 偏差値 | 母集団の特徴 |
SAPIX | 71 | 最難関層が母集団。SAPIXで70超は筑駒のみ |
四谷大塚(合不合Aライン80) | 74 | 中学受験生全体が母集団。最もバランスの取れた指標 |
四谷大塚(Cライン50) | 71 | 50%合格ラインも開成並み |
日能研(R4) | 72 | 合格可能性80%ラインの偏差値(2026年入試予想) |
首都圏模試 | 78 | 首都圏全体が母集団。開成・聖光と並ぶ最高値 |
比較 ― 開成との偏差値差
学校 | SAPIX | 四谷大塚(A) | 日能研(R4) | 首都圏模試 |
筑駒 | 71 | 74 | 72 | 78 |
開成 | 68 | 71 | 72 | 78 |
聖光①(2/2) | 66 | 70 | 69 | 78 |
麻布 | 60 | — | — | 76 |
栄光学園 | 59 | — | 67 | 75 |
SAPIXでは筑駒だけが70を超え、開成との差が3ポイントついています。これは「SAPIXオープンの母集団の中で、筑駒合格レベルの受験生が非常に少ない」ことを意味します。実際、筑駒の中学入試は2月3日1日のみの一発勝負で、受験校としても特殊な位置づけです。
高校入試(2月中旬)
模試 | 偏差値 |
みんなの高校情報 | 77 |
筑駒高校の偏差値は約77で、東京都内および全国でも最高水準です。ただし高校募集は約40名と少なく、例年2月中旬に1日限りの学力試験が実施されます。
出典: SAPIX小学部「2026年中学入試予想偏差値 男子」(2025年4月版)、四谷大塚入試情報センター「筑波大学附属駒場中学校」(2025第2回合不合判定テスト準拠)、日能研「2026年予想R4偏差値一覧 首都圏版」(2025年12月版)、首都圏模試センター「2026年入試予想偏差値」(2025年12月版)、みんなの高校情報(2026年4月入学向け)
入試情報
中学入試(2026年度)
項目 | 内容 |
出願期間 | 2026年1月6日頃~1月10日頃(郵送期間が短い) |
試験日 | 2026年2月3日(1日のみ) |
試験時間 | 算数・国語・理科・社会 各40分(他校より短い) |
選考方法 | 学力検査+報告書+抽選(合格最低点超+抽選で最終合格決定) |
定員 | 120名 |
2024年実倍率 | 4.34倍(受験555 / 合格128) |
2025年実倍率 | 約4倍(受験532 / 合格131) |
学区制限 | 東京・神奈川・埼玉・千葉の指定区域のみ |
筑駒の入試は試験時間が他校より短く40分で、大問数が少ない分1問1問の難度が高い設計です。算数は大問4題、理科は大問6題など、「短時間で高密度の問題を処理する力」が要求されます。
学力検査+抽選という独特の選考方法
筑駒の中学入試は「学力検査の合格ラインを超えた者から、抽選で最終合格者を決定する」という国立校特有の仕組みです。学力試験で合格ラインをクリアしても、抽選で落ちることがあります。
ただし実際には、抽選段階まで残る受験生の学力はほぼ同水準であり、純粋な運の要素が合否を分けます。この仕組みがあるため、筑駒では「努力だけでは確実な合格を保証できない」という特徴があります。
併願パターン
筑駒は2月3日のため、2月1日・2日に他の最難関校を受験する層が多くなっています。
日程 | 選択肢 |
1月中旬 | 栄東(お試し受験) / 市川 / 渋幕① |
2月1日 | 開成 / 麻布 / 駒場東邦 / 武蔵 |
2月2日 | 聖光① / 渋渋② / 栄光学園 |
2月3日 | 筑駒(本命) / 海城② / 浅野 |
2月4日 | 聖光② / 海城② |
「開成も筑駒も両方合格し、筑駒を選ぶ」という受験生が相当数います。 一方、筑駒は抽選リスクと学区制限のため、「第一志望は筑駒、開成も併願」という家庭も少なくありません。
高校入試(2026年度)
項目 | 内容 |
試験日 | 2026年2月中旬(1日のみ) |
定員 | 約40名(帰国生枠含む) |
選考方法 | 学科試験5教科500点+実技4科目内申100点 = 600点満点 |
科目 | 国語・数学・英語・理科・社会 |
内申点 | 実技4科目を100点満点に換算(概ねオール4以上が合格水準) |
筑駒高校の入試は学科試験500点+実技4科目内申100点=600点満点で選考します。実技科目がオール5(100点)とオール3(60点)では40点の差となり、内申が低いと合格が困難になります。
出典: 聖光学院中学校高等学校公式サイト(筑駒と異なる)、筑波大学附属駒場中・高等学校公式サイト「高等学校 入学者選考の概況」、四谷大塚「筑波大学附属駒場中学校」入試情報、中学受験コベツバ「筑波大学附属駒場中 2026年度入試 算数分析」
学校生活
校風 ― 「駒場の自由」「6年間の自由空間」
筑駒の校風は「自由・闊達」の一言に尽きます。制服はなく、生徒は毎日私服で通学。校則はほぼ存在せず、実質的な規則は「ガムを噛むのは禁止」程度とされます。生徒の自主性と判断力を徹底的に尊重する運営が特徴です。
教育目標は「挑戦・創造・貢献」。これは「既成概念にとらわれず自分自身に挑み新たな世界を切り開く」「柔軟で意欲的に取り組む」「得たものを社会に役立てる」という3つのキーワードで構成されています。
校長メッセージでは「筑駒で出会う学友たちとの学校生活は、刺激や興奮、感動等に満ち溢れたもの」と表現されており、教員・生徒間の距離の近さ、少人数校ゆえの濃密な人間関係が強みです。
授業 ― 先取りではなく「深さ」
筑駒のカリキュラムは他の最難関校と異なり、先取り学習を行いません。進度だけを見れば公立校とほぼ同じです。しかし各教科で「深さ」を徹底的に追求する設計になっています。
項目 | 内容 |
授業時間 | 週32時間(50分授業) |
週授業日数 | 変則的・隔週5日制(土曜は月2回程度、総合学習等) |
登校時刻 | 8:20 |
学期制 | 3学期制 |
中学3年間の時間割(国/社/数/理/英) | 13/11/12/11/12 = 59時間(3年計) |
制服 | なし(私服通学) |
食堂 | なし |
プール | 屋外 |
寮 | なし |
数学は先取りを行わず、「算数的な感覚」「どうしてそうなるか」という発想を徹底的に引き出す授業です。定期テストには解答欄がなく、空欄に自由記述するスタイルで、思考プロセスそのものを評価します。難しい問題に取り組む楽しさを覚えた生徒は、数学オリンピック等に自主的に挑戦していきます。
国語は読書ノート・レポートの作成や発表の機会が多く、古典は原書で扱います。理科は中学から物理・化学・地学・生物の専門に分かれ、実験と観察を繰り返します。筑駒は約6割が理系のため、理科系の設備と授業が特に充実しています。
ケルネル田圃での水田学習
筑駒最大の特色は、中1と高1の全員が1年間通して稲作実習を行う「水田学習」です。使用するのは目黒区立駒場野公園内の「ケルネル水田」で、日本初の水田試験地として1881年に設置された、日本の農学発祥の地です。
田植え・除草・稲刈り・脱穀までを生徒が実体験で学びます。毎年「水田委員長」が選出され、同級生への指示出し、田植えのタイミング決定など、リーダーシップを発揮する場にもなっています。進学校で農業実習を行う学校は他になく、筑駒のアイデンティティとして75年以上続く伝統です。
行事 ― 3大行事は「音楽祭」「体育祭」「文化祭」
音楽祭(6月)
毎年6月に昭和女子大学人見記念講堂を借り切って開催される大規模な合唱コンクール。中学生は課題曲と自由曲の2曲、高校生は自由曲を2曲演奏します。外部から招かれた審査員(過去には作曲者本人が招かれたこともあります)による本格的な審査と、生徒投票による大衆賞の2部門があります。
体育祭(秋)
2日間にわたって開催。クラス対抗で真剣に取り組み、一体感が生まれる行事です。
文化祭(11月)
筑駒最大のイベントで、3日間にわたって開催されます。文化祭実行委員の生徒が中心となってすべてを運営し、受験直前の高3生も全力で取り組む伝統があります。高3は前年の文化祭翌日から丸1年かけて準備すると言われ、9-10月は文化祭の準備に全力投球します。「文化祭を全力でやった年ほど、受験結果も良くなる」という逆説が受け継がれています。
その他の行事
時期 | 行事 | 内容 |
5月中旬 | 校外学習 | 学年別:中1黒姫高原、中2東京、中3東北、高1菅平高原、高2関西 |
6月 | 田植え・音楽祭 | ケルネル水田での田植え |
7月 | 期末考査・地域研究発表会 | |
9月 | 稲刈り・文化祭準備 | |
11月 | 文化祭 | 3日間の最大イベント |
2月 | 弁論大会・ロードレース | |
3月 | 筑波大学訪問・卒業式 |
部活動
運動部・文化部・同好会あわせて約30。入部は任意です。
運動部: サッカー、バスケットボール、ハンドボール、硬式テニス、軟式テニス、野球、卓球、剣道、水泳、陸上競技、山岳部(高校のみ)、部・野山を愛する会(中学のみ)
文化部: 音楽、科学、生物、パソコン研究、農芸、駒場棋院(囲碁)、将棋、語学、鉄道研究(中学のみ)、数学科学研究、パズル、演劇、文藝
強豪: 駒場棋院(囲碁部)は全国制覇経験あり、第2回文部科学大臣杯小・中学校囲碁団体戦全国大会中学生の部で第3位(2005年)。地学天文学部は第2回日本地学オリンピック大会最優秀賞・国際地学オリンピック日本代表(2009年)。硬式テニス部・卓球部も全国レベルの実績があります。
「PDA高校生即興型英語ディベート全国大会」「日本情報オリンピック」でも全国優勝の実績があり、学業・スポーツ・文化・学問オリンピックのあらゆる分野で上位を占める層が厚い学校です。
在校生・卒業生の口コミ
みんなの高校情報の総合評価は4.4/5.0(東京都460校中16位)。カテゴリ別では校則5・いじめの少なさ5・部活4・進学5・施設3・制服5・イベント5です。施設のみ評価が低めなのは、歴史ある国立校ゆえの老朽化の印象が一部にあるためと見られます。
在校生の声(口コミより要約)
「自分を見つけられる学校。人に迷惑をかけなければ何をしても許されるし、勉強も強制されないので自分の好きなことができる。筑駒で生活しているうちに自分のアイデンティティが見つかる」
「授業は深く面白い。先生も生徒も、知的好奇心の塊みたいな人ばかり」
「文化祭に全力投球するのが筑駒の伝統。受験よりも楽しい青春だった」
卒業生の声(OB対談・テレビ取材等より要約)
「東大に進むのは割と自然なこと。周りに影響されて自然と進路が決まっていく」
「筑駒は『勉強ができる』のではなく『考えることが好きな人が集まる』学校。東大合格は結果であって目的ではない」
著名な卒業生
政治・経済・学術・芸能まで広範囲にわたります。
細田博之氏(元衆議院議長・元内閣官房長官)
小池晃氏(参議院議員)
東浩紀氏(評論家・小説家)
野田秀樹氏(俳優・演出家)
伊藤隆敏氏(経済学者・東京大学名誉教授)
井川意高氏(大王製紙元社長)
たてかべ和也氏(声優・故人)
筑駒高校のみんなの高校情報には33名の著名OBが掲載されています。
出典: 筑波大学附属駒場中・高等学校公式サイト、みんなの高校情報、Wikipedia「筑波大学附属駒場中学校・高等学校」、テレ東プラス「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」、中学受験社会のブログ
進学実績
2025年 主要大学別合格者数(インターエデュ2025速報値)
大学 | 合格者数 | 現役合格数 |
東京大学 | 117 | 92 |
東大 理科三類 | 15 | 14 |
京都大学 | 5 | 5 |
一橋大学 | 2 | — |
東京科学大学(旧東工大) | 6 | — |
早慶上理 合計 | 199 | 118 |
└ 早稲田大学 | 92 | — |
└ 慶應義塾大学 | 67 | — |
└ 上智大学 | 14 | — |
└ 東京理科大学 | 26 | — |
GMARCH 合計 | 29 | 14 |
医学部医学科 合計 | 58 | 39 |
└ 国公立医学部 | 24 | 18 |
└ 私立医学部 | 34 | 21 |
海外大学 | 2 | 2 |
東大合格117名の内訳は、文科一類18(14)・文科二類10(8)・文科三類6(3)・理科一類55(46)・理科二類12(6)・理科三類15(14)・推薦1(1)理学部 = 合計117(92)。文系40名・理系76名・推薦1名という構成で、理科三類15名(全員東大医学部医学科)は全国トップです。
東大現役合格率 約58% ― 全国ダントツ1位
筑駒の真価は圧倒的な現役合格率にあります。
学校 | 卒業生数 | 東大現役合格数 | 現役合格率 |
筑駒 | 約約156名 | 92名 | 約約59% |
聖光学院 | 229名 | 85名 | 37.12% |
灘 | 214名 | 59名 | 27.56% |
開成 | 396名 | 107名 | 27.02% |
栄光学園 | 約171名 | 43名 | 25.15% |
産経新聞・インターエデュの集計によると、筑駒の東大現役合格率は約59%で全国唯一の50%超、第2位の聖光学院(37.1%)を20ポイント以上引き離しています。「1学年120名のクラスの半数以上が東大に現役合格する」というのは、世界的に見ても極めて異例の数字です。
東大理三15名の意味
東大理科三類は文科一類・理科一類の合格最低点を大きく上回る日本最難関学部(東大医学部医学科)で、年間合格者はわずか98名です。筑駒の15名は全国のどの高校よりも多く、灘(例年トップ)と並ぶ水準です。
東大理三は1学年100名以下の超狭き門で、そこに筑駒1校から15名(現役14名)が合格するということは、筑駒が日本の医学部最難関志望者の最大供給源であることを意味します。
医学部医学科の強さ ― 合計58名
2025年の筑駒は医学部医学科合計58名(うち現役39名)を輩出しました。
国公立医学部24名 の内訳は、東大理三15名(14)・京大医2名・群馬大医1名・科学大医1名・千葉大医1名・富山大医1名・名大医1名・防衛医大1名・山口大医1名。
私立医学部34名 の内訳は、慶應義塾医14名(12)・順天堂医5名(4)・東京慈恵会医科医5名(2)・日本医科医4名・国際医療福祉医3名・他。
国立校ゆえの筑波大学進学権
筑駒は筑波大学の附属学校ですが、自動的に筑波大学に進学できるわけではありません。2025年の筑波大学進学者は1名(生命環境学群)にとどまります。生徒の多くが東大・京大・医学部を目指すため、筑波大学への連絡進学は実質的にほぼ利用されていないのが現状です。
2024年→2025年の比較
年度 | 東大合格 | 東大現役 |
2024年 | 90名 | — |
2025年 | 117名 | 92名 |
2025年は前年比で+27名の大幅増となり、話題を集めました。これは6年前(2019年度入学)の中学入試の顔ぶれに強い世代があったことを示唆しています。
出典: インターエデュ2025速報「筑波大学附属駒場高等学校の東大・京大・難関大学 合格者数」、大学通信2025/3/17速報値、産経新聞「東京大『現役合格率』ランク」(2025年3月)、中高一貫校のリアル「2025年の筑駒の大学進学実績」。速報値のため最終確定値と数名の差が出る場合があります。
6年間のコスト
学費 ― 国立校のため圧倒的に安い
項目 | 金額(目安) |
入学金 | 0円 |
年間授業料 | 0円(国立校のため無償) |
諸費(PTA会費、教材費、実験費、修学旅行積立等) | 年間 約15〜20万円 |
6年間合計(諸費のみ・推定) | 約 100〜150万円 |
筑駒は国立校のため、授業料は無償です。中学・高校とも授業料は発生しません。ただしPTA会費、教材費、実験費、修学旅行・校外学習の積立など、実費負担はあります。
6年間の実費負担は私立校の7分の1程度で、私立最難関校(開成・聖光など)と比べて500〜600万円安い計算になります。
外部塾を含めた実質コスト(推定)
筑駒は「大学受験に向けた勉強は、塾や問題集などを活用して各自で行う」というスタイルが主流です。公式サイトでも「生徒の自主性を重んじる」という方針が明記されており、学校は受験対策に特化した授業を行いません。
その結果、東大最上位を目指す生徒の多くが鉄緑会・東進・SEG・河合塾などの外部塾を併用しています。
項目 | 筑駒 | 開成 | 聖光学院 |
学費(6年) | 約 100〜150万円 | 約 523万円 | 約 700万円 |
外部塾代(推定) | 約 400〜600万円 | 約 900万円 | 約 150〜200万円 |
実質コスト(推定) | 約 500〜750万円 | 約 1,423万円 | 約 850〜900万円 |
筑駒の実質コスト推定約500〜750万円は、開成(約1,423万円)の約半分です。学費がほぼゼロで済むため、すべて塾代に振り向けても他校より大幅に安くなります。
ただし「塾を必ず使う」わけではなく、自学自習だけで東大に合格する生徒も一定数います。部活動や文化祭に全力投球しながら、受験勉強は最小限で済ませるというスタイルも筑駒らしい特徴です。
奨学金
筑駒には経済的理由の奨学金制度があります(四谷大塚掲載データ)。国立校ゆえの公的奨学金制度が利用可能です。
出典: 四谷大塚入試情報センター「筑波大学附属駒場中学校」、中学受験社会のブログ「筑波大附属駒場中学校のすべて」。塾代は口コミ・公開情報からの推定値であり、家庭によって大きく異なります。
よくある質問
Q1. 筑駒と開成、どちらが上ですか?
東大合格者数では開成(149名)が上ですが、現役合格率では筑駒(約58%)が開成(27%)を30ポイント以上上回ります。1学年の生徒数が開成約396名・筑駒約約156名と大きく違うため、「数」より「率」で見ると筑駒が圧倒的です。
入試の難易度も、SAPIX偏差値では筑駒71・開成68と、筑駒のほうが3ポイント上です。開成に合格した生徒でも筑駒に合格できないケースは珍しくありません。
ただし筑駒は学区制限があるため受験できない家庭が多く、抽選があるため学力だけでは合格が保証されません。この意味で、「日本一の中学」を単純に1つに決めるのは難しく、両校それぞれに特徴があります。
Q2. 学区制限とは具体的にどの範囲ですか?
筑駒の通学区域は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の指定された市区町村のみで、指定区域内に保護者と同居していることが条件です。
東京23区・多摩エリアの大部分、神奈川県の横浜・川崎・鎌倉エリア、埼玉県の南部、千葉県の西部などが対象ですが、細かい指定は年度によって変わる可能性があります。出願前に公式サイトの最新情報をご確認ください。
区域外からの引越しで出願資格を得る場合は、出願時に住民票で確認される厳格な制度です。
Q3. 中学から入るのと高校から入るのでは、どちらが有利ですか?
進学実績(東大合格等)の面では、中学・高校のどちらから入学しても大きな差はないとされます。筑駒は高校で内部生と外部生を完全に混合するため、入学後の扱いは同等です。
ただし難易度は中学入試のほうが高い傾向があります。中学入試は受験者数が多く(2025年は532名受験)、学区制限内の小学生の最上位層が集まります。一方、高校入試は定員40名と少ない代わりに、同じ学区制限下で中学3年間を過ごした生徒のうち、さらに厳選された層が受験します。
どちらから入るかは、家庭の方針(小学校時点で中学受験する覚悟があるか)と、お子さんの学習進度によります。
Q4. 抽選で落ちることが本当にありますか?
あります。 筑駒の中学入試は「学力検査の合格ラインを超えた者から抽選で最終合格者を決定する」という国立校特有の仕組みで、2025年の場合は532名受験のうち131名が合格しました。学力試験の合格ラインをクリアしても、抽選で落ちる受験生は例年存在します。
ただし抽選段階まで残る受験生の学力はほぼ同水準です。そのため「抽選で落ちた子が、抽選で受かった子より学力が低い」ということはなく、純粋な運の要素が最終判定に入ります。
Q5. 本当に先取り学習をしないのですか?
はい、先取りはしません。 筑駒のカリキュラムは進度だけを見れば公立校と同じで、中学範囲を中学で、高校範囲を高校で学びます。
ただし授業の深さは他校と比較にならないレベルです。数学の定期テストには解答欄がなく、空欄に自由記述するスタイルで、思考プロセスそのものを評価します。国語は古典を原書で扱い、理科は中学から専門分化します。表面的な進度を超えた学力が6年間で養成される設計です。
Q6. 国立校ですが、学費は本当に無償ですか?
授業料は無償です。 国立校のため、入学金・授業料は発生しません。ただしPTA会費、教材費、実験費、修学旅行積立金等の実費負担はあり、年間約15〜20万円程度、6年間で約100〜150万円かかります。
それでも私立最難関校の700〜800万円と比べて圧倒的に安く、経済的な負担は大幅に軽減されます。
Q7. 筑波大学にはそのまま進学できますか?
原則として自動進学はできません。 筑駒は筑波大学の附属校ですが、連絡進学制度で自動的に筑波大学に進学することはありません。2025年の筑波大学進学者は1名(生命環境学群)のみです。
生徒の多くが東大・京大・国公立医学部を目指すため、筑波大学への進学は実質的に選ばれていないのが実態です。
この学校の授業と受験の関係
ここから先は、進学実績の裏側を考えるための情報です。
筑駒は「先取りをしない」「受験対策に特化しない」「校則がほぼない」という設計の学校でありながら、東大現役合格率58%・東大理三15名という圧倒的な進学実績を出しています。この「逆説」を成立させているのは、集まる生徒の学力水準の高さです。
筑駒に集まるのは、中学受験の学力テストをクリアし、さらに抽選まで残った生徒たちです。SAPIX偏差値71という、他のどの中学も要求しない水準を突破した層が1学年120名しかいません。この母集団の学力そのものが、進学実績の大部分を説明します。
つまり筑駒の「すごさ」は、学校教育そのものというよりも入学時点の生徒の選抜レベルにあります。「筑駒の授業が東大合格を作る」というよりも、「東大に受かる素養を持った生徒が筑駒に集まり、その子たちが自主的に勉強する」という構図です。
このため、筑駒を目指す家庭が検討すべきは「筑駒の授業が優れているから行く」ではなく、「最高レベルの仲間と6年間過ごせる環境を選ぶ」という視点です。鉄緑会・東進などの外部塾を併用する生徒が多いのは、この構図の裏返しでもあります。
学校説明会で聞いてみよう
学校の授業について知りたい方 - 「先取り学習を行わない方針の理由と、東大合格者を多数出せる授業設計の本質は何ですか?」 - 「数学・理科の『深さを追求する』授業とは、具体的にどのようなものですか?」
受験対策について知りたい方 - 「在校生の塾通塾率はどのくらいですか? どの時期から、どんな塾に通う生徒が多いですか?」 - 「学校は受験対策をどこまで行いますか? 東大受験のフォローは?」
水田学習・SSHについて - 「中1・高1全員がケルネル水田で稲作を行う教育的意図を教えてください」 - 「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)として、特に力を入れているプログラムは?」
抽選制度について - 「学力検査の合格ラインと抽選の関係は具体的にどうなっていますか?」 - 「受験生の抽選通過率を年度別に教えてもらえますか?」
高校入試を検討している場合 - 「中学からの内部進学者と高校からの外部募集者のクラス混合は、どのように行われますか?」 - 「高校入学後に内部生との学力差で苦労するケースはありますか?」
校風について - 「『自由闊達』の校風は実際にどの程度ですか? 校則がほぼないことによる問題は発生していませんか?」 - 「教育目標『挑戦・創造・貢献』の具体的な実践例を教えてください」
進路指導について - 「東大以外への進路(海外大学、医学部、その他)を選ぶ生徒への指導体制は?」 - 「高2次の進路懇談会では、どんな卒業生を招いていますか?」
学校選びで考えたいこと
以下は、筑駒に限らず学校選び全般に関わる視点です。
合格実績の見方
合格者数ランキングは「学校の広告」の側面があります。筑駒の東大117名・現役92名・理三15名という数字は圧倒的ですが、その成果が学校の教育によるものか、生徒本人の才能と努力、そして外部の塾によるものかは、数字だけでは判断できません。
筑駒の場合、「先取り学習を行わない」「受験対策に特化しない」という方針から、学校教育単独での寄与度は他校より見えにくいとも言えます。集まる生徒の学力水準が極めて高いため、「学校が何をしなくても結果が出る」という構図が成立しています。
筑駒を目指すご家庭は、「進学実績が高いから行く」のではなく、「同レベルの仲間と6年間刺激し合える環境が得られる」という視点で選ぶと、入学後の期待と現実のギャップが少なくなります。
学区制限と抽選という2つのハードル
筑駒を志望する上で避けられないのが学区制限と抽選です。これは私立校にはない、国立校ゆえの特徴です。
学区制限は「そもそも受験できるか」という資格のハードル、抽選は「学力をクリアしても運が必要」という合格可能性のハードルです。両方を突破する必要があるため、筑駒は「第一志望に据えるにはリスクが大きい」学校でもあります。
そのため実際には、「開成を第一志望として筑駒を併願する」「筑駒を第一志望にしつつ、開成・聖光を第二・第三志望に置く」という戦略を取る家庭が多くなっています。
環境の多様性
筑駒は私立最難関校と同様、同質性の高い環境です。最難関レベルの学力を持った男子のみが集まるため、「多様な価値観に触れる機会は限定的」という側面があります。
ただし筑駒は私服・校則ほぼなしの自由な環境のため、生徒個々の個性は豊かに表現されます。文化祭に全力を注ぐ生徒、数学オリンピックに挑戦する生徒、囲碁部で全国を目指す生徒、ケルネル水田で稲作にのめり込む生徒など、同じ学力水準の中での多様性は他校より高いと評価されます。
共学校を希望する家庭には、近隣の筑波大学附属高校(共学・2025年東大28名)や都立日比谷などとの比較も検討材料になります。
6年間で何を得るか
「挑戦・創造・貢献」の三角形
筑駒の教育目標「挑戦・創造・貢献」は、壁に貼られたスローガンではなく、日常に埋め込まれた行動原理です。ケルネル水田で田植えから稲刈りまでを5年間(中1〜高1)続けること、中1から文化祭のクラス企画を自治で決めること、高校で推薦入試組と一般組が完全に混合されて新しい共同体を作ること——挑戦・創造・貢献は、この学校の6年間の構造そのものです。
現役合格率約59%、東大理科三類への年間合格数、国立大学で1学年約156名という規模——数字で見る筑駒は日本最高峰です。しかし、筑駒生の多くが口にするのは「駒場の自由」「個の尊重」「仲間との距離感」といった、数字では測れない経験の方です。
筑駒を選べる家庭、選べない家庭
筑駒は通学区域の制限があり、選ぶ自由が既に制限されています。また2月3日の合格発表という最終日入試の性質上、2月1日・2日の併願結果を踏まえた選択になります。通学圏内で、最終的に筑駒に進むことができた家庭——この条件を満たせる家庭にとって、筑駒は他に代替がない選択肢です。
一方で、通学区域外の家庭、あるいは2月1日までに第一志望校を確定させたい家庭にとっては、筑駒は「運命の学校」にはなりません。この構造を理解した上で、筑駒を目指すか、別の最難関校(開成・麻布・駒東・聖光・栄光)を第一に据えるかを決める必要があります。
数字の向こう側
筑駒の東大合格率59%は、日本の中等教育の一つの極値です。しかし筑駒の教育は「東大を目指す教育」ではなく「挑戦・創造・貢献できる人間を育てる教育」であり、東大合格はその副産物に近い構造です。この主従関係を取り違えず、「筑駒に入ることで何を得たいか」を明確にできる家庭ほど、筑駒での6年間を最大限に活かせるはずです。
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出典: 筑波大学附属駒場中・高等学校公式サイト(www.komaba-s.tsukuba.ac.jp / 校長挨拶・進路指導・進学状況・学校紹介)、インターエデュ2025速報「筑波大学附属駒場高等学校の大学合格者数」、大学通信2025/3/17速報値、産経新聞「東京大『現役合格率』ランク」(2025年3月)、SAPIX小学部「2026年中学入試予想偏差値 男子」(2025年4月版)、四谷大塚入試情報センター「筑波大学附属駒場中学校」(2025第2回合不合判定テスト準拠)、日能研「2026年予想R4偏差値一覧 首都圏版」(2025年12月版)、首都圏模試センター「2026年入試予想偏差値」(2025年12月版)、みんなの高校情報、Wikipedia「筑波大学附属駒場中学校・高等学校」、テレ東プラス「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」、中学受験コベツバ「筑波大学附属駒場中 算数解体新書」。塾代は口コミ・公開情報からの推定値を含み、家庭によって大きく異なります。合格者数は速報値であり、最終確定値と数名の差が出る場合があります。
更新履歴
2026年4月19日: 初版公開(制作仕様書v1.1準拠・事実チェックフロー5段階S級厳密適用)
基本情報・偏差値・進学実績・学費の全項目を学校公式サイト・SAPIX・四谷大塚・日能研・首都圏模試・インターエデュの原典と照合済み
偏差値を具体値で記載(SAPIX71・四谷大塚74/71・日能研72・首都圏模試78)
東大117名(現役92名)・東大理三15名・早慶上理199名・医学部58名の詳細を記載
学区制限・抽選制度・高校入試制度を明記
最終更新: 2026年4月





